文  写真  経済学部  S35年卒 米倉 彦次

 
昨年10月にアラブ首長国[UEA]ドバイにいきました。。関空からエミレイツ航空が10時間程で直行便を運行しているということが訪問のキッカケでした。

 ご承知のように1971年に独立したばかりのアラビア半島の東部に位置するUEAは7つの首長国か集まって一つの国を形成しています。首長国は日本の都道府県のような感じでドバイはUEAの首都であるアブダビに次ぐ首長国です。人口は120万?程度で80%以上が出稼ぎ外国人で、出稼ぎ外国人は何年居住しても帰化することは出来ないようです。
 「現地の人から聞いた話」外国人が多いため、英語が共通語として使われている点はシンガポール等と同じで、下手な英語でも通じる点は不便を感じません。
 肉体労働は勿論の事、商店やレストランの従業員は全て外国人です。例えばレストランに入って席の案内はインド人、注文を聞きに来るのはロシア人、コックはスリランカ人、皿洗いはフイリッピン人というように色んな人種の人たちが一箇所で働いています。

砂漠にらくだはつきものだが
これは観光用

米倉夫妻とトヨタ4WD



 町の中にある歴史博物館に行きましたが、40〜50年前までは砂漠に取り囲まれた本当にひなびた港町が突如1960年代に石油が発見され、オイルマネーで超近代都市、中東でも最も裕福な国になったのを見て、この先どうなるのか一抹の不安も感じました。
 現在のドバイは自由貿易港で貿易の中継地、中東の金融センター、中東一のビジネスセンターであり、他方 観光立国として観光客の誘致に力を入れています。観光としては歴史も浅いため名所旧跡はありませんが、美しい海、町から少し出れば茫漠たる砂漠、トヨタ4WD車で何処までも続く砂丘を駆け巡り、地平線に沈む真っ赤な太陽を見、砂漠の中のキャンプでは星空を見ながら、酒を飲み、「イスラム教の戒律も甘く、外国人や旅行者は飲酒OK、勿論ホテル内、レストランもOK」ベリーダンスを観賞できた事は素晴らしい体験ができました。
 市内はシンガポール、香港以上に高層ビルが立ち並び、巨大なショッピングセンターも数多くあります。
 イスラム教では女性は夫や家族以外の男性に肌を見せてはいけないとされているので、魅力的な目だけを出した全身黒ずくめのご婦人が最新のブランドのバッグを肩に掛け、何処で、誰に見せるのか高級品を買いあさっているのを度々見かけました。年中真夏の国でありながら、屋内スキー場も建設されていました。
7ツ星ホテル バージュ アル アラブ 金色に見えるのは、
全部純金(24金メッキ?)なんだそうだ
 家内が一度この砂漠の国でゴルフをしてみようと言うので、ホテルで予約をしてもらい出かけました。1年間を通じて殆ど雨がない国でオールバンカーを覚悟して行きました。驚いた事に日本のゴルフ場以上に芝の状況は素晴らしく、フェアウエイ勿論、グリーンも素晴らしいものでした。聞いてみると砂地に外国から輸入した粘土と芝生を敷き、淡水化した水をふんだんに使っているという事でした。タイガーウッズも参加した欧州PGAツアーが行われたという事でした。ホテルも高級リゾートホテルが立ち並び、世界に一つしかないという7つ星ホテルもあります。そのロビーたるや凄いものでした。
 3日間の短い滞在でマルタへ飛び立ちました。それにしてもよくぞ短期間でこのような砂漠の中で近代都市が現れたのには驚きました。

砂漠の中のゴルフ場
米倉夫妻 ドバイにて

 UAEは国王やファミリーの権限が絶大で、政党も選挙制度もないということです。
 オイルマネーのお陰で税金もなく、学校も無料、その他福祉も行き届いているとのことです。出稼ぎの人の所得も他の国に比べかなり良いとのことで、アラブ人に関しては世界一の給料のようです。
 ドバイを出発する時に感じた事は石油の埋蔵量も無限ではない、無くなったらこの豊かさに慣れた人たちはどう変貌していくのだろうかと考えざるを得ませんでした。
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