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2020年10月29日
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自衛隊OGから見た「コロナ」の10ヶ月 |
柏原 敬子 S54社会学部卒 |
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去年の今頃、誰が今年のコロナ禍を想像したでしょうか? オリンピックを控え、テレビで1964年東京五輪の開会式で航空自衛隊ブルーインパルスが上空に五色の輪を描いた逸話が紹介されていました。
年が明けて1月、中国から日本人がチャーター便で急遽帰国。2月には横浜港で大型クルーズ船内の感染が拡大。いずれも自衛隊の医官・看護官が検疫や医療を支援しました。また、医師や看護師の資格を持つ予備自衛官(普段は民間人、招集時は自衛官)に防衛大臣から災害招集が発令されました。
私は7年前に航空自衛隊を退官し、生命保険会社に勤務しております。3月までは毎日オフィスに出勤し、自衛隊を訪問する機会が多かったのですが、緊急事態宣言下の4月、5月は完全なテレワークになりました。自衛隊からも部外者の来訪は自粛が要請され、航空祭など対外行事は全て中止されました。
医療従事者への感染が懸念されましたが、医療、生活支援にあたった自衛官は、生物・化学剤の防護訓練の経験を活かして対応し、4月の発表時点で一人の感染者も出ていません。ただ、自衛隊は団体行動が多いので、感染者が出ると一気に広がるのではと心配でした。部隊では2交替勤務にしたり、外出や会食を一切禁止しましたが、感染第1号はなんと3月上旬にフランスに出張し、帰国した隊員でした。
宣言が明けた6月以降、私の会社では今も出社率を50%以下に抑えています。自衛隊は感染防止策を取りながら通常の任務や訓練を行っています。今年4月〜9月の航空自衛隊の緊急発進(領空侵犯のおそれがある航空機に対する監視飛行)は、昨年同じ時期の8割に減りましたが、それでも中国機やロシア機に対し、この半年で371回実施されました。大きな災害があっても国の守りは続いています。
感染が早く終息することを祈ります。来年の東京オリンピック、パラリンピックも開催できますように。
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以上 |
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