「関西学院大学ファイターズ甲子園ボウル3連覇達成」
廣原 祥隆(S36年 法学部卒)
関西学院大学の課外活動といえば、文化部のグリークラブと体育会のアメリカンフットボールは全国に名が知れている。

グリークラブは昨年までの10年間に、全国大学コンクールで連続金賞を獲得している。

アメリカンフットボールは、今年、甲子園ボウル関西代表の出場をかけて、予選最終戦に立命館大学に逆転勝利をし、甲子園ボウルに出場することになった。

関西学院アメリカンフットボールは、長年監督を務められた鳥内秀晃さんが退任し、今年、大村和輝新監督が就任された。大村監督は就任初年度に甲子園ボウル出場に導いた。

アメリカンフットボールの東西大学王座決定戦「甲子園ボウル」(12月13日)は、5年連続54回目出場の関学大と、3年ぶり35度目の日大の伝統の一戦になった。一昨年の危険タックル問題で揺れた、両チームの甲子園ボウルでの対戦は30度目で、通算成績は日大の17勝10敗2分けである。今年の甲子園球場は内野の芝を敷くことが間に合わず、グランドの半分は土のままで、スパイクの選択に神経を使う必要があった。

関学大は3年連続出場となるQB奥野(4年)とRB三宅(4年)の存在に対し、日大はQB林(4年)とRB川上(4)の存在は両チームのエースである。 
試合開始に先立って、両校メンバーが自校の応援歌に迎えられて入場、続いて佐々木真衣さん(京都市立芸術大学3年)の国歌斉唱があって、これから始まる対戦を思うと気持ちがわくわくしてくる。13時05試合開始。1クオーター15分の戦いである。

前半 第1クオーター
日大のキックで関学はレシーブ、関学のリターナーWR木下(4)がRB三宅(4)にリバース、相手陣21ヤードまで攻め込む、QB奥野(4)からWR梅津(2)へのTDパス、K永田(3)のキックが決まり関学大7−0日大。開始早々早くも得点、幸先の良い出足である。

日大の攻撃 日大のオフェンスが強力でラン ラン パス ランを織り交ぜTD 関学大7―7日大同点になった。

関学の攻撃はうまくいかずパント。

日大の攻撃ラン ラン パス パスなどで再びTD 関学大7−14日大 逆転される。リードを許して後を追うのは気持ちに重荷を感じるが、まだ始まったばかりで、ここからの奮起を期待する。

鳥内前監督はよく勝負は第4クオーターやと言っていたことを思い出す。


前半 第2クオーター

関学大 RB三宅(4)とRB前田(3)のランでTD 同点に追いつく。関学大14−14日大、さあこれで同じ条件になった。日大の攻撃は最後のサードダウンのパスが失敗でパント。関学大も最終の第3のパスが失敗。膠着状態が続く。

関学大の攻撃 RB三宅(4)のランそしてRB前田(3)のラン、そしてQB奥野(4)の25ヤードのロングパスが決まったと思ったとたん、イエローフラグ ああー残念!

その後、気を取り直して再びRB三宅(4)とRB 前田(3)のランが続き、残り1ヤードで、WR大村(4)へのショートパスが決まりTD。

関学大21−14日大。初めてリードする。ここで前半戦終了。

ハーフタイム

大村監督がインタビューを受けて、ディフエンスが準備してきたことがちょっと違っていたので・・・とコメントしていた。なるほど相手のオフェンスはかなり強力だったと思う。 

後半 第3クオーター

関学大キックオフ 日大リターン 日大攻撃 パス ランの連続、フォースダウンに1ヤード残してパント 関学大攻撃 ランとパスを混ぜてロングパス、インターセプトを受ける。

日大攻撃 第4ダウンでパント 関学大のディフエンスはかなり耐えていた。

解説の方はディフエンスの対応の仕方を称賛していた。

関学大の攻撃 4回ダウンを更新してRB三宅(4)がランでTD。関学大28−14日大

後半 第4クオーター

関学大攻撃もフォースダウンでパント 日大攻撃サードダウンで日大のRB川上(4)が78ヤードのロングランを決めTD 関学大28−21日大 関学大は余裕がなくなった。一つタッチダウンを決められると同点になる。ここから関学大の攻撃に熱がこもる。

関学大攻撃 RB三宅(4)がセカンドダウンで、65ヤードのロングランを決めるがイエローフラッグ。10ヤード罰則を受ける。これはやばい! ここからの攻撃は壮観であった。

サードダウンでQB奥野(4)からWR鈴木(4)へ37ヤードのロングパス。次の攻撃でQBサックを受けたが、次にWR鈴木(4)へロングパスを決め、最後はQB奥野(4)からWR糸川(2)にタッチダウンパス。関学大35−21日大

日大の攻撃 ロングランとパスを交えて前進するが、ゴールに到着出来ず、フィールドゴールを決める。関学大35−24日大 フィールドゴールではまだ11点差がある。残りの時間を見ても、一つタッチダウンを決められても大丈夫だ。これで大丈夫かな。

関学大の攻撃 サードダウンでRB三宅 (4)の53ヤードのロングランでTD 関学大42−24日大 日大の攻撃 フォースダウンでギャンブルするも失敗。関学大攻撃 残り時間は少なく勝利は確定しているのでQBに山中(3)を起用。経験を積ませるため。日大数プレイで時間がなくなり、関西学院大学ファイターズが優勝する。


「表彰」

年間最優秀選手(ミルズ杯)関学大のQB奥野耕世、甲子園ボウル最優秀選手は関学大のRB三宅昂輝、敢闘賞には日大のRB川上理宇が選ばれた。

アメリカンフットボールはボールを持って走るRBや、パスを投げるQB、そしてパスを受けるTEの選手たちは目立つけれど、縁の下で頑張るOLやDLの選手の頑張りが、試合の最重用の任務であるといえる。
関西学院大学ファイターズの強さの根源は、部には160人のメンバーが在籍していて、そのうち40人ほどが、マネジャーとスタッフである。彼らは対戦チームのビデオなどで戦術の分析を行い、選手たちに伝えている。アメフトは選手の努力と共に、相手への戦術分析や自軍の戦略を構築することが大変重要である。その意味で、関学大のアメフト部の組織は、大変優れていると思われる。

以上

・注記1 短縮記号の説明
QB(QUARTER BACK) RB(RUNNING BACK) K(KICKER)
WR(WIDE RECEIVER) TE(TIGHT END) LB(LINE BACKER)
OL(OFFENSIVE LINEMAN) DL(DEFENSIVE LINEMAN)
TD(Touch Down)
・注記2 選手名に続く括弧書きの数字は選手の学年を示します。
・注記3 掲載の写真の出所は関西学院大学体育会アメリカンフットボール部Fightersの公式ホームページからです。
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