このクルーズを選んだのは、

人工的に汚染されていない自然を満喫したかった事と、

バンクーバーに在住する娘は、海岸から沖行くアラスカクルーズの船を眺め「いつか親子でクルーズ船に乗りアラスカに行ければいいのになあ」と言っていたのを覚えており、その夢を叶えてあげたかった事です。

5月4日、成田空港より空路バンクーバーに行き、バンクーバー港より豪華客船でアラスカへのクルージング、7泊8日の旅です。船の名は「スター プリンセス号」バミューダ籍、11万トン、乗船客2,600名、長さ約290m 速度24ノット(時速44キロ)の客船です。

5月5日 いよいよ乗船です。心躍り興奮気味であったが乗船手続きに税関、アメリカへの入国審査で3時間半かかりぐったりです。それでもやっと乗船出来ました。

日本のパシフィックビーナス号では多くのスタッフに迎えられましたが、今回は番人程度に1人いるだけでした。なんか拍子抜けの感じ。乗船券を見て我がキャビン11階の435号に入る。

右舷のバルコニー付きの部屋で何時でも室外に出て外の空気が吸えるのはありがたい事です。

早速室外に出ると見慣れたバンクーバーの街が見える。

何時も乗っていたシーバス(対岸に向かうフエリー)が思ったより小さく見える。

部屋はベッド2つにデスク椅子、鏡台、大型テレビ、バスルーム、バルコニーは畳2枚分ぐらいの広さ、まずまずの生活が出来そうです。

やがて船は出航、すぐにライオンズゲートブリッジ(吊り橋1,834M)の下を

通過する。

何時も利用している橋の下を通るのは初めて、橋の構造が良くわかる。

通過後すぐ右手にウエストバンクーバーの海岸がすぐ見える。

娘は興奮気味に「あの海岸からアラスカクルーズの船を眺めていたんだ」と感慨深げに言っていました。

実にいい眺めでした。

いつもクルーズ船を眺めていたウエストバンクーバー(高級住宅地)の海岸を、舟から眺める

今日5月5日は私の誕生日、ラッキーでした。

200人ぐらいは入れるレストランで、ツアー同行者8人でテーブルを囲む。

ディナーの前菜、メインデイシュが終わった時、スタッフが3人来て、

「今日はノボル、モリモトの誕生日だ。」

スタッフはノボル、モリモトを言いにくそうなので

「call me KNOBBY(ノビー=スコットランドの友人が名づけた)」

と言えば「OK!ノビー」で話を進めてくれました。

バースデーケーキの一つを前に

スタッフと同席の人でハッピーバースデーソングを歌って祝福して下さる。

バースデーケーキは普通のものでなく、色んな種類のケーキを円形にしてそこに3本のローソンを立てていました。

娘が「お父さんローソクを消す時は何か願い事を一つ頭に浮かべて消すのよ」と言うので、無事帰国を願って消しました。

ケーキは同席者に配り召し上がっていただきました。

また記念品として明日から氷河を見るのに使って下さいと双眼鏡をくれました。

キャビンに戻ると入り口のドアーにB4ぐらいの大きさのバースデイカードが貼られ、ポストにはキャプテンからのメッセージとこの船の写真、そして風船2つを吊るしていました。

風船は下船するまで吊るしてくれていましたので、部屋を探すとき風船を目印にしましたので部屋はすぐに解りました。

往路は右舷でしたので船は陸に沿って北上します。

山の半分より上には雪を頂いた山々が次から次へと現れ、同じような形の山はなく見飽きる事はありません。

海面は全く波がなくまさしく鏡のようで、これ程穏やかな海面を見るのは初めてでした。

この様な素晴らしく、美しい山々を眺めながらバルコニーの椅子に座りワインを一人でちびりちびり飲むのはまさしく至福の時でした。

写真説明

プールの側で二人の指導員のもと多くの人が音楽に合わせて「YMCA」を踊っている光景は 踊っていないこちらまで心が踊りました。

4人のコックが野菜と果物だけで人形を数分のうちに仕上げるのは見事な技であった。

ある日真夜中の午前2時頃船内放送が流れ、一瞬何かトラブルがあったのかと

思いました。

「キャプテン、マイケル、ノーザンライト(外国ではオーロラをこう呼ぶ)アピアー

と言うので急いでバルコニーに出てみるが前方に白い雲のようなものしか見えない。

コートを着て14階の屋上に行ってみると多くの人がいるが皆分かっていない。

ノーザンライトを何度も見たと言う体験者が「あれはまさしくノーザンライトだ」

と言う。

その人の言うのには「雲であれば雲を通して星は見えない」との事、

今見ている物体の向こうにはっきりと星は見えている。

「これがまさしくノーザンライトだ」と納得、

7色はなかったが、洋間に掛ける薄い白いカーテンのようなもの、

あるいは真綿を伸ばしたようなものが高い高い空から下がっている、

空一面にありました。

後で聞いたのですがこの白い物体をカメラに撮っておけば緑色に映っているとの事、

残念でした。

旅行前旅行社の人は

「4月始め迄はノーザンライト見えるが、5月はだめ」との事でした。

5月に見えるのは珍しいからキャプテンがわざわざ放送してくれたのだと解りました。

誠にラッキーでした。

一日中船の中にいるので運動不足しているのではと、万歩計をポケットに入れておいて夜寝る前に見てみると、5,560歩になってました。

食事は船の前方に行き、ハーモニカの講習は船の後部、ピアノの演奏は中央とかなり歩いているのが解りました。

スポーツジムでは色々の器具があります、ランニングをするための物、重量上げなど

試しにランニングマシンに乗ってみたがあまり面白いものではない。

歩くのであれば7階のデッキは船を一周(500M)する事ができるので潮風に吹かれながらここを歩く方が楽しかった。

サンライズ、サンセットはどこで見ても美しいものですが、やはり空気が綺麗なせいか、実に素晴らしいものでした。

また夜の星空はここの星は輝度が違うのかと思うほど素晴らしいもので、言葉として宝石をばらまいたような、と言いますがそれに当てはまるものでした。

復路は海側なので山は見えない。見渡す限り海、地平線迄何も見えない、茫洋とした海でした。

ただ一瞬でしたが鯨の群れ、5~6頭いました。尻尾を上に上げるもの、小さな噴水のように潮を吹いているものがいました。又ある時はイルカの群れに遭いました。

3~5頭が一斉にジャンプ、それがあちらにこちらにうじゃうじゃするほどおりました。

グレーシャベイの氷河観光

有名な氷河であります。以前テレビで地球温暖化と言ってこの崩壊を放映していましたが、その時思ったのですが地球温暖化の理由で崩壊している。

しかし現実は15,000年前から崩壊は始まっているとの事でした。

氷河の流れは一日に1~1.5mぐらいとの事、この氷河の前で船は20分ぐらいに停船してくれました。

その間氷河の最上からの崩落は見えませんでしたが、中ほどからの崩落は7回見ました。物凄い水煙を上げていました。

又崩落とは関係なく雷のゴロゴロと言う音がかなり高く耳をつんざくぐらい、5~6回聞きました。おそらく氷河の上の方か、深いところで動いているのでしょう。

メンデルホール氷河

世界的に美しさで有名な氷河であり上の方から流れ来て下の方で溶けて水になり沼に流れていました。

この氷河は女性的な穏やかな感じのする氷河でした。

今回のクルージングではフォーマルの日が2回ありました、

クルージングの業界ではフォーマルの回数は船で1~4日はゼロ、5~6日は1回、7~8日は2回、9日以上は3回と決まっているとの事でした。

フォーマルの日のディナーには男子はタキシードもしくはそれに近いものと言われています。

女性は自分の好みの物を着飾って腕に、胸に宝石類を付けている姿を見るのは楽しいものでした。男としても正装してみると身の引き締まる思いになりました。

食事については高級レストランが7店ありました。そのうちの一つにビュフェスタイル

(日本で言うバイキング)のホライゾンと言うレストランがあり、自分の好きなものを好きなだけ食べられるので重宝でした。

営業時間は

コンチネンタル  5:00~6:00

朝食       6:00~11:30

昼食       11:30~15:30  ライトスナック 15:30~17:30

ディナー    17:30~23:00  でした。

プールサイドではアイスクリームのブース、ピザのブースがありその場で焼いてくれていました。すべて無料なので時々頂きました。

バーはいたる所にありますがすべて有料で値段は高いです。例えばビール小瓶が8~900円、普通のグラスワインもビールと同じぐらいの値段、アルコール類は船内持ち込み禁止なので高くても買わざるをえない。賭博場は昼から開いていますが余り客はいなかったようです。使用できる限度額は約30万円でした。

ユーコン鉄道の旅

カナダとアメリカの国境

海抜0mから1,000mまで行く3時間の列車の旅、昔、金を採掘するのに使っていた鉄道を観光にしたものです。

今迄見てきたアラスカの山々は海より眺めたものでしたが

鉄道の旅では大陸内部に深く入り込み3,000m級の山々を見ることが出来ました。この列車の旅の売りは原生林、渓谷美、山岳美、滝等でした。

これからクルーズに行こうとしている方へ

まず船は外国の船にするか、日本の船にするかです。

私見を申し上げますと、問題となるのは、言葉の問題、食事の問題、風呂の問題です。

英語が喋れなくとも、必要最小限の事は何とかなりますが、しゃべることができれば、楽しさの幅が広がると思います。

次に食事、

日本の船の場合は和食が主ですが、外国船の場合は洋食ばかり、今回のクルージングでは米一粒も食べていません。

もう一つ日本人であればやはり風呂を愛します、外国の船はシャワーのみ、しかも蛇口は固定式の物、ホース式のものはありません。

日本の船は各室に風呂があり最上階には大浴場もあります。例外もあって今回乗船したプリンセスクルーズ社は18隻の船を持っています。

その中でダイアモンドプリンセス号は大浴場もあり、食事は刺し身、すし、天ぷら等日本食を供しています。

この船は日本発着が多いようです。外国船を使うのであれば狙い目かもしれません。

日本の船では   飛鳥Ⅱ           5.1万トン  乗客数 872人

         パシフィックビーナス    2.7万トン      620人

         日本丸           2.2万トン      524人

が主要なところです。

終わりに

一生一度船旅もいいものですよ、病みつきになるかもしれません。

長い航海を終えバンクーバー港内に入るやいなや、

珍客がお帰りなさいと我がベランダに挨拶に来てくれました

ボン ボアイアージュ

写真集

ジュノーの街かどで

タラバガニをゆでている所

アラスカで1番のカニ料理店

実に美味だったが、待つこと40分

スキアグヴェの街並み

ユーコン鉄道の初代機関車

ユーコン鉄道の車内

文章、写真:S36法 森本 登