2008年2月3日
平成20年2月3日(日曜日)高槻市商工会議所と市民会館305号室にて開催されました。
第一部は、セミナーを今回は公開という形で開催いたしました。
 
[第1部] 公開セミナー  午前11時30分より
演題 「旧暦で見える世界」

講師 小林 弦彦
  
   
    旧暦研究家・元倉敷紡績常務取締役   

   
    関西学院同窓会理事・北摂支部長

今年は、講師として関西学院同窓会員であり、旧暦研究家としても著名な小林 弦彦氏をお招きし、「公開セミナー」として開催しました。
当日はあいにくの雪模様でしたが、開場1時間前に一番乗りをされる歴史考古学ファンの方を始め、同窓会員の方から誘われたのでという方など、当日受付のかたも多く、約50名の一般市民の方にも参加いただき120名を超える大盛況でした。


講演内容:

明治5年(1872年)現在の太陽暦(新暦)に改暦されるまで永年使用された旧暦について、

・ 松尾芭蕉が『おくのほそ道』で江戸を出立した元禄2年(1989年)3月27日は今の暦(新暦)では5月16日となり、季節は春ではなく初夏である。
・ 赤穂浪士の討ち入りが決行された元禄15年(1702年)12月14日は新暦換算すると1703年1月30日、満月に近い雪明りの夜であった。

などおなじみの古典文学や歴史的な事例を紹介しながら、巧みに旧暦の仕組みと特徴の解説がすすめられ、90分の時間がたつのを忘れた講演会でした。

「旧暦の仕組みと特徴」

・旧暦では、月が地球を一周する期間を一月と数えるのが基本。
     月は29.53日で地球を一周するが、便宜的に29日の月(小の月)を6回、30日の月(大の月)を6回配置している。しかし、これだけでは一年が354日となり一太陽年(地球が太陽を一周する期間、365.22日)に毎年約11日不足してしまい、その誤差は16年で約180日にもなり、放っておくと冬と夏が逆転してしまうことになる。
・ そこで、約3年に1回、19年に7回、「閏月(うるうづき)」という季節調整の為の余分な月をおいて一年を13か月とし、太陽暦との誤差を修正するわけです。(7月の次に、閏7月など、前の月名に「閏」をつけて呼ぶ)。
     ・また、閏月を配するために必要なのが二十四節気(冬至を起点として、一太陽年を二十四等分したもの)という太陽暦の思想である。旧暦が「太陰太陽暦」と呼ばれるのは、太陰暦を基礎に太陽暦で誤差を調整しているからである。
・旧暦の特色は春夏秋冬の区分が非常に明確なこと。<春>1〜3月、<夏>4〜6月、<秋>7〜9月、<冬>10〜12月。そのどこに閏月が入るかによって季節が大きく変動する。ちなみに2006年は閏7月が入ったので秋が7月、閏7月、8月、9月と四ヶ月あった。そのため、9月末が新暦換算で11月20日となり秋以降が大きくずれこみ、2007年の年初は温かかった。

小林式「2008年お天気予測」
     講師のいた繊維業界では、「景気三割天気七割」という諺があり、そういう諺があるのに、天気を読む羅針盤がなかった。そこで、過去から現在に至るまでの新暦と旧暦を対比したお天気データをコンピューターに打ち込み、研究した。
そして毎年10月には、翌年一年間のお天気予測「旧暦に学ぶ○○年のお天気予測」として発表している。研究の甲斐あって、繊維業界では、講師の予測は確率75パーセント以上の評価を得ている。

・参考までに2008年の「旧暦に学ぶお天気予測」は
 概況は、四季循環(季節のブレが少ない)
     <春>花気満山(穏やかな春の訪れ)
<夏>早雲飛火(旱魃気配の厳しい夏)
<秋>秋風不尽(好天なれど風荒れる)
<冬>寒流雪満(寒波早く厳しい冬)

・旧暦とは、天文学的な裏打ちのある合理的で科学的な歴訪であり、日本を含め、東アジアの気候を最も的確に教えてくれる文化遺産であることを認識する必要がある。
・ 旧暦の基礎知識があれば、日本の歴史や文化が理解できるし、来るべき季節の天候予測もできる。趣味に仕事に、ぜひ生かしていただきたい。

≪45名の方からアンケートに回答いただきました≫
    ・アンケートを寄せられたFさんは「過去に幾度か講演を拝聴したが、聞くたびに話しが面白く、分かりやすくなっており感服しました。変わらぬ研究熱心さとご精進の賜物と解しますが、今後はとくに健康に留意されますますのご活躍をお祈りします」と寄せていただきました。

また、初めて受講された方からは、

・今まで全く意識した事のなかった旧暦を学び、大変勉強になり興味がわきました。

・話術巧み、資料配付良し。俳句、短歌、時代小説の参考になる。

・面白い講演であった。日本の季節が良く分かった。公開講座に多くの聴講にびっくり。

・ビジネスをやりながらの研究に頭がさがります。すばらしい。

・日頃思っていながら、もやもやしていた事柄を明らかにしてもらって、真に面白く 聴かせていただきました。

・非常に興味深く聴講しました。旧暦が生活に密着しているのに、なぜこれほど忘れ去られているのか、人間は便利なことに慣れすぎていると感じました。これからの生活に旧暦を活かしていきたいとおもいます。

・旧暦と新暦がはっきりわかりました。今までにない話で楽しかったです。

・暦の楽しさがわかり楽しい講演でした!!

・閏月の入る月が変わること知らなかったので、頭の切り替えが出来、不思議に思っていたことが理解できて楽しかった。非常に短く感じる一時間半でした。

・今回の講演会により、ますます源氏物語(古文)が楽しくなりそうです。

・大変面白く、有益でした。(多数)

以上、大好評でした。大成功でした。             文 藤井 昭治(S35 法卒)
[第2部] 懇 親 会 午後1時より

午後1時から懇親会  会場を向かいの市民会館305号室に移して開催。
参加者は ご来賓、幹事を含めて合計66名。

リュート演奏中の横島さん

中寺 啓祐氏(S43 法卒)の軽快な司会でスムーズに進行した。
前内支部長の挨拶のあと、このたび日本で最高の身障者支援賞と云われている「リリー賞」を獲得された 横島 若騎氏(H4年社会学部卒)による リュート(第一部) 演奏とピアノ(第2部)があった。


ピアノの 横島 若騎さん



午後3時 応援歌 「新月旗のもとに」を信貴氏指揮 横島氏の伴奏で参加者
が声高らかに歌いお開きとなった。
 
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